各プレーヤーは、ブレイク前に、各自のターゲットポケットを決める。そして様々の種類のショットを駆使し、緻密な手球のコントロールと、忍耐力、防御戦略をもってゲームをする。

　ブレイクショットはやはりセイフティとなる。ラックの頂点に当てる必要はなく、考え方としては、自分のポケットに的球を寄せながら、手球は相手にとって不利な位置に停止させるようにする。（バンクショットさえできないように考えなくてはならない。）ゲームはたったの８個のボールを入れることで終わってしまう。だからプレーヤーは極めて慎重にセイフティの応酬をすることになり、そうしながら徐々に「有利な形」を作ろうとする。ナインボールなどとは対照的なまでに「静的な」試合展開で進められます。その様は将棋やチェスのように「駒を進めながら自分の陣形を作っている」ように見えるだろう。そしてひとたび、入れのある状態になると攻めに転じ、一気に終わってしまうことがよくある。この場面は14-1ラック・ゲームに似ている。

ブレイクがセーフとなる条件は：
（１）なんらかの的球がポケットされる。
（２）最低１個の的球がクッションに入る。
このいずれかである。手球は、必ずしもクッションに届く必要がない。

　ブレイクの前にプレーヤーは、自分のポケットを決めておく。フット側の左右いずれかのコーナーポケットが自分のポケットとなる。あらかじめ決められた自分のポケットにボールを入れた場合のみ得点となり、他のポケットに入れても自分の得点とはならない。相手のポケットに入れた場合は相手の得点となるが、２人のプレーヤーのどちらのものでもない他のポケットに入ったボールはフットスポットにアップされる。

　なお、スクラッチと同時に相手ポケットにボールが入った場合のみ、そのボールもアップ（フットスポット）され、相手の得点ともならない。他のファールと同時に相手ポケットにボールが入った場合は、そのまま相手の得点となる。

　スクラッチと同時に相手のポケットにボールが入った場合で、唯一、そのまま相手の得点とする場合がある。それは、そのボールの得点をもって、相手の勝ち（つまり８点に達する）場合である。その場合は、プレー中の選手は、自動的に負けとなる。

　ファールが発生したときは、（スクラッチ以外の場合は）常に「現状」でプレーを引き継ぐ。スクラッチの場合のみ手球はブレークエリアの任意の位置に移され、ブレークエリア外の球を狙う。

　ファールしたら-1点となり、すでに落としたボールがあればフットスポットに戻す。まだ１つも落としていない場合は、マイナスを記録しておく。そして得点をして「その順番を交代する時」に、マイナス分のボールをフットスポットとロングライン上に戻す。（１個落としてすぐにその時点でアップするのではない）またこの種目にも「３ファール」があり、１ラック中の３回連続のファールは、そのラックは負けとなる。

　ファールによるマイナスとなっても、まだアップすべき得点ボールがない場合は、得点のあるイニングが終了したときに、マイナス分のボールをフットスポットに上げる。また、マイナスの「借金」のある状態でプレーしているうちに、台上に的球がなくなった場合は、その時点で、マイナス分のボールをフットスポットに上げて、プレーを続行する。

　共通のルールにある通り、スリーファールによる負けのあるゲームなので、２ファールになった時点で、審判（または相手選手）から、それを知らせる必要がある。事前にそれを知らされることなく３ファール目をした場合は、そのファールをもって２ファールとする。